僕が痴漢物のAVを見ない理由 終わり
後日談、というか今回のオチ。
西尾維新先生の物語シリーズなら、間違いなくこのフレーズで完結するような、広い世界の日本の福岡県の北九州市付近で起きた、そんな小さな物語の結末を語ろうと思う。
痴漢男性に駅を降りろよ。と言ったはいいが実際はどうしたものかと僕は悩んでいた。
たしかに、この痴漢野郎は許せない。
俺は将来どんなに歳をとって醜く朽ち果てて行こうとも、寝ている女性や気の弱い女性をターゲットにして自分の欲を吐き出すような卑劣な卑屈な人間にはなりたくない。
と、痴漢野郎との遭遇にて思った。
ならば取るべき行動の択は多くはない。
女性を起こして事情を説明して警察に突き出すべきだと思った。そうしないと、このクズは同じことをする。
迷う余地なんてあるわけがなかった。
無かったのだが、俺のひとつの細胞が鼓動した。
そう、ギャンブルに脳が焼かれてしまっている【クズ細胞】だ。
時間は無い。
男性に、次で降りろよ。
と威嚇と牽制はしてあるが、処置に悩んでいた。
現在は零時近く。
当然のように、電車の便は終電。
明日の抽選は9時半。
そう明日の、俺の行きたいホールの抽選は9時半!!
まずいまずいまずいまずい。
確かに、こいつは許せん。
だが、終電で途中下車からの警察の事情聴取からの抽選に間に合わないのはもっと許せん。
俺に出てきた結論はひとつだった。
女性を起こして示談して貰うしかない。
僕はパチスロ打つために終電にのって、遠くまで行ってるんや、仕方ないやろ(クズ)
そんなわけで、お姉さんの肩を掴み揺らしながら起こす。
「おねーさんー。おねーさんー。起きてもらっていいですか?痴漢されてたんすよー。」
ゆさゆさと揺らすと、眼鏡をかけた女子大生は目を
覚まさない。
ん??
世界が終わった顔をして俯いてた男性も顔を上げて女性を見てた。
「ちょっと、おねーさん。痴漢なんすよ、痴漢!」
装着している眼鏡が外れんばかりに揺らす。
返事がない。ただの屍のようだ。
かれこれ3分くらい呼びかけただろうか。
男性の脂汗が、自分の手の甲をうっていたが僕にひとつの感情が芽生えた。
めんどくさい。
女性の肩から手を外し男性に言った。
「お前とりあえず次の駅で降りろ。家が遠いとかそんなん知らんし、どうにかして帰れ。どうせまたやるんだろうし、免許証写メしとくな。はよ出せ。」
そう言って、iPhoneだったかガラケーだったが覚えてないが免許証を写メ撮って次の駅で男性を追い出した。
女性は未だにすこやかに寝ている。
寝ているだけである事を信じている。
僕はせめて自分が降りる駅までは、同じことが起きないように。と、前の席で外の景色を眺めて目的地まで向かった。
僕みたいなクズが守れるのは、この程度の平和だし中途半端の僕らしい結末だった。
それでも、痴漢をしたりそういうことをする男性にはなりたくないと思った。
そして痴漢物のAVを見るのをやめた。
さて、そんな中途半端な痴漢撃退をしていい事したからパチスロ勝てる!
とか思ってた僕は、次の日ボッコボコに戦国無双で負けていたのだった。
終わり
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